3少年誘拐は「ハマスの犯行」 イスラエル首相が断言
エルサレム(CNN) ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地でイスラエルの10代の少年3人が行方不明になっている問題で、イスラエルのネタニヤフ首相は15日、ガザを実効支配するイスラム組織ハマスが3人を誘拐したと断言した。
ネタニヤフ首相は閣議の冒頭で、ユダヤ・サマリア地区でハマスの多数のメンバーを逮捕したとし、「3人の少年を誘拐したのはハマスのメンバーだ。ハマスは、アブー・マーゼンが統一政府で手を組んでいる相手で、その影響は大変深刻だ」と述べた。アブー・マーゼンは、パレスチナ自治政府アッバス議長の別名だ。
地元メディアは、ネタニヤフ首相に近い情報筋の話として、行方不明の3人の少年の1人はイスラエルと米国の両方の国籍を持つと伝えている。イスラエルと米国の当局はこの報道を公に認めていない。
ケリー米国務長官は15日、少年たちの即時解放を求めた。ケリー氏は「ハマスの関与を示す証拠が複数見つかっているが、われわれはまだこの卑劣なテロ行為を行った者たちに関する詳細な情報を求めている」と指摘。「この情報を集めるに当たり、ハマスが過去に罪のない市民を攻撃し、誘拐という手段を用いたテロ組織であるというわれわれの立場を改めて伝える」と語った。
一方、ハマスの報道官は、ネタニヤフ首相のコメントは「根拠がなく、馬鹿げている」と述べた。
同報道官は「ヨルダン川西岸を占拠するイスラエル軍による一連の逮捕は、ハマスの屋台骨を破壊し、打倒するのが目的だろうが、その目的を達成することはないだろう」と語った。