シリア申告の化学兵器、国外搬出が完了 OPCW
(CNN) 化学兵器禁止機関(OPCW)は23日、シリアが申告した化学兵器の最後の貯蔵分を国外へ搬出したと発表した。
OPCWによると、化学兵器の最後の貯蔵分は同日デンマーク船に積み込まれ、シリアのラタキアの港を出航した。これでシリアが申告した化学兵器はすべて国外へ搬出されたことになり、「大きな目標を達成した」と評価している。
ただし「もう化学兵器が残っていないという確証はない」と述べ、「我々はただ、国が申告した内容を検証するという基本にのっとって作業を進める」とした。
シリアは2011年に内戦状態に陥り、化学兵器を使った疑いが浮上。国連は13年に調査団を派遣し、同年9月には、シリアの首都ダマスカスでサリンが使われたことを裏付ける証拠が見つかったとする報告書を発表していた。
国連安全保障理事会は、シリアに対して化学兵器の廃棄を求める決議を採択。アサド大統領はこの決議に従う意向を表明し、化学兵器の廃棄に乗り出した。
化学兵器の問題が節目を迎えても、シリアで内戦が続く状況は変わっていない。
国連の潘基文(パンギムン)事務総長が20日に行った国連演説によれば、シリア内戦の死者は推定15万人を超え、2200万人いた人口の半分は避難した。周辺国のレバノンやトルコ、ヨルダン、イラクには、難民となった人たちが大量に流入している。「国際社会はシリアの人々とこの地域を見捨ててはならない」と潘事務総長は訴えた。