ムルシ前大統領の支持者10人に死刑判決 エジプト
(CNN) エジプトの首都カイロの刑事裁判所は7日、昨年失脚したムルシ前大統領の支持者10人に死刑の判決を言い渡した。国営ニュースサイト「アフラム・オンライン」が伝えた。
同サイトによれば、10人は暴力を扇動した罪と主要道路の交通を妨害した罪に問われた。全員が未拘束で、裁判では被告不在のまま有罪判決が下された。最終判断は同国のイスラム法最高権威者、大ムフティに委ねられる。
この裁判ではほかに、前大統領の出身母体だったイスラム組織「ムスリム同胞団」のバディウ団長ら38人も起訴されている。次回の公判は7月5日に開かれる。
同国では今年4月、バディウ団長やムスリム同胞団の支持者ら683人に対し、別の罪で死刑が言い渡されていた。3月にも同組織の支持者529人が死刑判決を受けたが、その後の審理で37人の死刑だけが支持され、残る被告は減刑となった。
大量の死刑判決には国際社会から非難が集中。国連の潘基文(パンギムン)事務総長は「公正な裁判の基本的基準を満たしていないことは明らかだ」と批判していた。
アフラム・オンラインによると、昨年8月にムルシ前大統領の支持者37人が刑務所への移送中、催涙ガスなどによる窒息で死亡したとされる事件では同日、警察官4人を有罪とした一審判決が控訴審で覆された。