シリア戦闘機がイラクを空爆か、民間人57人死亡
バグダッド(CNN) シリアと国境を接するイラク西部アンバル州の当局者は、シリアの戦闘機が24日に国境を越えて同州の複数都市を空爆したと語った。この空爆でイラクの民間人少なくとも57人が死亡、120人が負傷したと報じられている。
空爆が伝えられているのは、イスラム教スンニ派武装組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が制圧している地域。ISISはイラクとシリアにまたがるイスラム国家の建設を目指している。
アンバル州の当局者は、市場やガソリンスタンドが空爆されて民間人が犠牲になったと語り、戦闘機の機体にはシリアの国旗が描かれていたと説明。同機は「シリアの領空から直接飛来し、シリアに戻って行った」と話した。
これに対してイラク軍の報道官はシリアによる空爆の情報を否定し、「外国のジェット機による我が国の領空侵犯は記録されていない。イラクの領空を飛行している戦闘機やヘリコプターはすべてイラクのものだ」と述べた。
シリアの国営メディアも「悪意を持った報道機関」が流した「事実無根」の情報だと伝えている。
一方、国連イラク支援ミッションのニコライ・ムラデノフ代表は25日に記者団に対し、イラクの都市を爆撃した戦闘機はイラクのジェット機ではなかったと語った。しかしそれ以上の情報はないと説明している。