パラセル諸島付近で原油埋蔵の兆候確認 中国国営メディア
香港(CNN) 中国の国営メディアは16日、同国が南シナ海のパラセル(中国名・西沙、ベトナム名・ホアンサ)諸島付近で大型掘削施設を使って実施していたエネルギー源探査作業で原油や天然ガスが埋蔵している兆候を突き止めたと報じた。
新華社通信によると、国営企業の中国石油天然ガス集団(CNPC)幹部は作業の対象海域は原油掘削に適する基本的条件や可能性を有していることが判明したと指摘した。開発の次期段階を決定する前に、今回入手した地質上のデータの分析を進めるとしている。
掘削作業は7月15日に終了したとも発表した。
作業は今年5月2日に開始され、同諸島の領有権を主張するベトナムが強く反発。両国は監視船など多数の船舶を関連海域に派遣し、船舶同士の衝突も起きる緊迫な事態となっていた。ベトナム国内では反中デモも発生、5月中旬には暴動化して数千人規模の中国人がベトナムから退避する騒ぎにもなっていた。
中国はパラセル諸島を含む南シナ海の大半の海域について主権を宣言し、今回の掘削については国内領土での事業行為と正当性を主張している。南シナ海についてはベトナムの他、フィリピン、台湾、マレーシアやブルネイもほぼ全域もしくは一部海域について帰属権を争っている。
中国海洋石油(CNOOC)は、中国が保持する原油や天然ガス資源のうち約3分の1が南シナ海に眠っていると指摘している。
新華社通信はまた、パラセル諸島に近い海南省沖で違法な漁をしていたとして沿岸警備当局が逮捕していたベトナム人漁師13人が国外退去処分になったと報じた。