プーチン大統領による中南米歴訪、その狙いは
(CNN) ウクライナ上空で親ロシア派勢力によりマレーシア航空機が撃墜されたとされる事件で、ロシアの支援が果たした役割を巡り、臆測が飛び交う状況が続いている。こうした状況で、1つの疑問が浮かんでくるのは避けられない。それは、ロシアは国際的に孤立しつつあるのだろうかというものだ。
国際社会の注目が米欧によるさらなる経済制裁に集まるなか、ロシアの国益や影響力が欧州の国境のはるか向こうに拡大していることを思い起こすのは意味がある。
オバマ米大統領はロシアが単なる「地域大国」に過ぎないとの見方を示しているものの、実際のところ、プーチン・ロシア大統領による中南米歴訪が浮き彫りにしたのは、プーチン氏の関心が欧州の裏庭にとどまらないということだ。
プーチン大統領は7月11日から1週間にわたり、ブラジル、アルゼンチン、ニカアグラ、キューバの各国を訪問した。プーチン氏はこの間、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国でつくる「BRICS」の首脳会議に参加、BRICS独自の「新開発銀行(NDB)」を設立することで合意した。各国首脳との会談も精力的にこなしている。
こうした中南米歴訪の背景には、国際社会での孤立を回避し、欧米への対抗軸を結集しようとするロシアの狙いがあるとみられる。