中国警察、宗教集団「全能神」の約1000人を拘束
香港(CNN) 中国警察は20日までに、「全能神」と呼ばれる宗教集団のメンバーら1000人近くを拘束した。同集団は宗教を口実に詐欺や違法な資金集めなどの犯罪を繰り返してきたとされる。
国営新華社通信は、メンバーらが「多数の」自殺や殺人に関与し、時には自分の家族まで犠牲にしたと伝えている。
拘束者の中には100人近い幹部も含まれているという。
今年5月には山東省のファストフード店で勧誘を断った女性(37)が殴り殺される事件が起き、ソーシャルメディア上で同集団への非難が集中した。事件ではメンバー5人が殺人罪で起訴された。被告の1人は逮捕後、テレビ局とのインタビューで、女性は「悪魔」「悪霊」だったと話した。20日から裁判が開かれる。
同集団の英語版ウェブサイト担当者は今年6月、CNNへのコメントで、こうした事件の責任を組織に押しつけるのは、中国共産党が党に異論を唱える勢力を中傷し弾圧するための手口だと主張した。
全能神は1990年代に中国中部で結成された。メンバーらは教祖の妻をキリストの生まれ変わりと呼ぶ。新華社通信によれば、教祖夫妻は2000年に渡米した。
同集団は95年以降、中国当局が指定する「邪教組織」14団体のリストに入っている。中国メディアの報道によると、これまでに強盗や暴行、誘拐などの事件を起こしてきた。12年には世界の終末が迫っているとのうわさを流したとして、数百人が拘束された。