タイの代理出産規制、依頼の外国人夫婦に不安広がる
(CNN) タイで代理母を巡る問題が相次いで発覚し、当局が摘発や規制強化に乗り出したことを受け、代理母の出産を待っていた米国人カップルなどの間に不安が広がっている。
米テキサス州に住むカップルは、タイの代理母が男の子を妊娠し、誕生を待っていたところだった。
代理母はタイのクリニックに見せられた写真と経歴で選び、実際に会ったことはない。「代理母に直接接触したり、話したりすることは認められていない。仲介業者が継続的に情報を伝えてくれている」とこのカップルは説明する。
タイの代理出産産業は、これまで実質的に野放し状態で繁栄してきた。しかしオーストラリアのカップルが、代理母から生まれた生後7カ月のダウン症の男の子を引き取らず、双子の女の子のみを引き取っていたことが分かり、世界的な注目を集めた。
さらに24歳の日本人男性が代理出産で少なくとも12人の子どもをもうけていたことも発覚するなど、タイの代理出産産業の無法ぶりが浮き彫りになった。
こうした事態を受けて当局は多数のクリニックの立ち入り検査を実施、一部は閉鎖させるなどした。その混乱に巻き込まれたのが、代理出産を依頼していた何百組もの外国人カップルだ。
代理出産を支援する非営利団体のFTSによると、タイに妊娠した代理母がいたり、凍結受精卵をもつカップルは約400組に上る。このうち約半数はオーストラリア、残りは米国、カナダ、イスラエルなどのカップルが占める。FTSには各国から問い合わせの電話が殺到しているという。