広島の土砂災害 死者39人に、行方不明10人
東京(CNN) 広島市で20日未明に猛烈な雨が降り、大規模な土砂崩れが発生した災害で、死者数は少なくとも39人に上っている。現在も行方不明者の捜索が600人態勢で続いている。
警察によれば行方不明者の数は少なくとも10人。だが土石流の直撃を受けたのが人口の多い住宅地であることから、犠牲者はもっと多いのではとの懸念も出ている。
犠牲者のなかには2歳と11歳の幼い兄弟もいた。共同通信によれば、近所の男性は兄弟の母親が助けを求める声を聞いて駆けつけた。男性は素手で土砂を掘り、男児の1人の体に手が届いたが、泥から引き出すことができなかったという。
安佐北区の被害が大きかった地区の住民のなかには、外に出るのはかえって危険だと考え、災害情報を聞きながら自宅で夜を明かした人もいたと、共同通信は伝えている。
共同通信によれば、広島市の松井一実市長は、避難勧告の通達に遅れがあったことを認めた。今後の対応改善に向け、遅れの原因について調査を行うとしている。
災害対策本部によれば、21日朝の時点で避難勧告が広島市安佐北区と安佐南区の6万8813世帯16万4108人に出されており、被災した1018人が公共施設に避難している。