エボラ研究に11億円提供、英政府や団体が案募る
(CNN) 西アフリカで広がっているエボラ出血熱の流行を食い止めるため、英医学研究支援団体のウエルカム・トラストと英国際開発省は21日、エボラ出血熱に関する研究プロジェクトに1080万ドル(約11億円)の資金を提供すると発表し、世界中の専門家に協力するよう緊急の呼びかけを行った。
対象となるのは患者の治療法やエボラウイルス感染についての研究、感染防止策などに関する研究プロジェクト。提案を募って速やかに審査を行い、できるだけ早く研究に着手できるようにはからう。
ウエルカム・トラストはこれとは別に、5年間で6650万ドル(約69億円)を拠出して、アフリカで次世代の医学研究者を育成すると発表した。サハラ以南の国で熱帯病やエイズ、結核などの研究に携わる研究者を支援する。
世界保健機関(WHO)によると、エボラ出血熱による死者は20日までに1350人に達した。
英オックスフォード大学の疫学研究者オリバー・ブレイディ氏は20日の科学誌ネイチャーに寄せた論文で、現状を分析した結果、現時点で未承認の薬やワクチンが必要な人の数を3万人と推計。公平に分配するためには生産と流通の両面で規模を拡大する必要があると提言した。
現時点で効果が実証されたエボラ出血熱の治療薬やワクチンは存在しない。しかし実験段階の未承認薬「ZMapp」を投与された米国人やリベリアの医療従事者は、いずれも快方に向かったと伝えられている。