ロシア、対ロ制裁強化を「非生産的で対立的」と強く非難
(CNN) ロシアは12日、オバマ米大統領が前日にロシアに対する制裁強化の方針を明らかにしたことに対し、米国は再び危機を増大させ、ウクライナが平和を取り戻す機会や「世界的安定」を模索する動きを台無しにしている、と激しく非難した。
オバマ大統領は11日、ウクライナで違法行為を続けるロシアに対し、欧州連合と連携して行っている制裁をさらに強化すると発表した。
米国とその同盟国は、ロシアが、ウクライナ東・南部で分離独立を求めてウクライナ軍と戦っている親ロシア派を暗に、あるいは明確に支援していると非難しているが、ロシア政府は、精神的支援は認めつつも、直接的な関与は否定している。
ロシア外務省は12日、米国の対ロ制裁強化の発表を受けて声明を発表し、「(制裁強化は)米政権の対立路線の一環」と非難した。
ロシア外務省は、米政府は平和的解決よりも「ウクライナ紛争を激化させることに注力している」とし、ロシアへの制裁は、米国企業に損害を与える上に、各国が共通して抱えるテロや麻薬密売などの問題に対処するための国際親善を損なうもので「非生産的」と主張。さらに、ロシアは制裁によって方針を変えることはないと付け加えた。
しかし、ロシア外務省は、米国政府への対抗的制裁措置は「最後の手段」とし、制裁の意向は示さず、代わりに「米政権が望むなら、ウクライナ危機に連携して対処するなど、建設的かつ公平な(米ロ)二国間協調への扉は開けておく」と述べた。
また同省は、「互いの利益の尊重こそが、すべての国が納得できるウクライナ危機の解決策を模索する唯一の道であることを米政府は認識する必要がある」と付け加えた。