ゴラン高原で拘束のPKO要員が釈放
(CNN) 国連は11日、中東のゴラン高原で武装勢力に拉致されていた国連平和維持活動(PKO)要員45人が解放されたと発表した。全員、健康な状態だという。
45人は国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)の要員。8月28日にイスラエルが占領するゴラン高原とシリアにはさまれた緩衝地帯で、国際テロ組織アルカイダ系武装勢力の「ヌスラ戦線」に拘束された。現場近くの国境検問所は前日、ヌスラ戦線を含むシリアの反政府武装勢力に占領されたばかりだった。
国連の潘基文事務総長の報道官によれば、ヌスラ戦線との交渉は、「関係するさまざまな」勢力や国が参加して「さまざまなレベル」で進められたという。
UNDOFは1974年以降、イスラエルとシリアの停戦を維持するため、境界にある緩衝地帯の監視にあたっている。だがシリア内戦の戦闘は、この非武装地帯にも及んでいる。
CNNの取材によれば、ヌスラ戦線は民間の自動車で要員をシリア側にある国連の拠点に送り届けた。45人は200メートルほど歩いてイスラエル側に入り、そこから国連の車に乗ってUNDOF司令部に戻ったという。
国連の報道官は、「(要員が)無事、釈放されるために努力してくれたすべての関係者」への事務総長の謝意を明らかにした。