台湾が軍事演習、高速道路を使って発着訓練
香港(CNN) 台湾で毎年恒例の軍事演習が始まり、16日早朝には空軍機が滑走路の代わりに高速道路を使って離着陸する訓練が実施された。
台湾の中央通訊社(CNA)によると、訓練には台湾西岸を南北に走る高速道路が使われた。南部の都市、嘉義近郊の道路上で、米国製のF16やフランス製のミラージュ、自主開発の経国号(IDF)といった戦闘機や早期哨戒機、武装ヘリコプターが緊急発進や着陸を繰り返した。地上部隊も燃料や弾薬の補給訓練を実施した。
英ノッティンガム大学中国政策研究所の軍事専門家、J・マイケル・コール氏によると、これは中国の侵攻を想定した5日間の演習「漢光」の一環。台湾の空軍基地は数が限られているが、中国はまず最初にこれらの基地にミサイル攻撃を仕掛ける可能性が高く、空軍機を基地以外の場所で発着させる必要が出てくるという。
演習ではこのほか、東部海上や台湾海峡の澎湖諸島周辺での実弾訓練などが計画されている。
中台関係は近年大幅に改善しているものの、対立の根本解決には至っていない。「中国が軍事行動に出る可能性は低いが、それが選択肢であることに変わりはない」と、コール氏は指摘している。