イスラム急進派カタダ師に無罪判決 ヨルダン
(CNN) 中東ヨルダンの裁判所は、同国で2000年祝賀行事を狙った爆弾テロを企てたとして起訴されていたイスラム急進派聖職者アブ・カタダ師に無罪の判決を下した。24日付のヨルダン紙アッドゥストゥールが伝えた。
同紙によると、裁判所はカタダ師がほかの件で罪に問われない限り、ただちに釈放するよう命じた。
カタダ師は米同時多発テロの実行犯らに影響を与えたとされる人物で、本名はオマル・オスマン。裁判では無罪を主張していた。
ヨルダン当局の迫害を受けたとして、93年に偽造パスポートで英国へ渡り、自身と妻子の亡命を申請した。しかし英当局は、カタダ師が国際テロ組織アルカイダ系の団体のために資金を集めたり、武装勢力の活動を支援したりしたとして、同師を収監。01年以降、ヨルダンへの送還を主張し続けた。
同師は送還に抵抗して法廷で争った。12年には欧州人権裁判所が、ヨルダンでは公正な裁判が受けられない恐れがあるとして、送還差し止めの決定を下した。
長年の論争は昨年になって決着がつき、同師は最終的に強制送還された。国営メディアの報道によると、今年7月には、ヨルダンにある米国人学校の爆破を図ったとされる共謀罪でも無罪を言い渡されていた。