ソマリア海賊、米ジャーナリストを2年ぶり解放
(CNN) アフリカ東部ソマリアで2年以上前から海賊に拘束されていた米国人ジャーナリスト、マイケル・スコット・ムーア氏が解放された。同氏の家族とソマリア当局者が23日、CNNに語った。
ソマリア中部ムドゥグ地方の知事によると、ムーア氏の解放は地元の長老たちの交渉で実現した。本人は心身ともに疲れ果てているという。同地方のガルカヨの空港から飛行機に乗ったとされるが、行き先は公表されていない。
米カリフォルニア州に住む同氏の母、マーリス・サンダースさんは「言葉で言い表せないほど」と喜びを語った。
サンダース氏は米誌パシフィック・スタンダードの契約コラムニストで、ソマリア情勢をよく取り上げ、同国の海賊についても調べていた。
同誌電子版の編集者は「報道機関としてムーア氏誘拐の記事を書きたかったが、連邦捜査局(FBI)や国務省から、同氏の知名度が上がれば解放はさらに難しくなると止められていた」と話した。
ムーア氏は、欧州の密漁がソマリア人を海賊行為に駆り立てているとの見方を示唆するなど、海賊側の立場にも理解を示すことができる人物だったという。
身代金が支払われたかどうかという質問に対して、ムドゥグ地方の知事は「知らない」と語り、サンダースさんはコメントを控えると述べた。
米国務省は2012年1月、ムーア氏の家族と連絡を取っていたことを認め、ケニヤやソマリアの関係先と接触して情報収集に努めていると説明していた。