指名手配の麻薬カルテル首領を逮捕、大物の1人 メキシコ
(CNN) メキシコ連邦検察庁当局者は1日、指名手配していた同国の有力な麻薬密輸組織の首領を逮捕したと発表した。米国政府も行方を追っていた大物とされ、国務省は拘束などにつながる有力情報の提供に最大500万ドル(約5億4500万円)の報奨金を約束していた。
捕まったのは麻薬カルテル「ベルトラン・レイバ」を率いていたエクトル・ベルトラン・レイバ容疑者。メキシコ軍兵士が同国中央部にある人気観光地サン・ミゲル・デ・アジェンデにある海産物料理店で逮捕した。銃撃戦などは起きず、逮捕に抵抗しなかったとみられる。
情報機関当局者らが11カ月間足取りを追った末での成果だった。メキシコ当局は、捕捉(ほそく)に導く情報提供に200万ドル以上の報奨金を付けていた。
検察庁当局者によると、同容疑者はケレタロ州に潜伏していたが、高級車などのぜいたく品を保持せず、ごく普通の事業家を装う目立たない生活を送っていたという。
ただ、実態はメキシコの麻薬密輸を仕切る大物の1人で、広範な汚職や資金洗浄のネットワークを築いていたという。2009年に兄弟がメキシコ海兵隊に殺された後、首領の座に就いていた。
同容疑者は組織の再編などを図ると共に、「セタス」「フアレス」などの他のカルテルとの連携関係も強化していた。
米国務省によると、「ベルトラン・レイバ」はメキシコから米国へ武器や弾薬を流出させていた他、コカイン、マリフアナ、ヘロインや覚醒剤の密輸にも関与していた。
メキシコ政府は抗争などで死傷者が絶えない麻薬カルテルの掃討作戦を長年続けている。