米政府、ベトナムへの武器禁輸を一部解除 40年ぶり
ワシントン(CNN) 米国務省は2日、ベトナムへの武器禁輸措置を一部解除すると発表した。解除の対象は海上安全保障分野に限られる。ベトナム戦争以降40年近く続いた禁輸措置の解除で、両国関係は大きく一歩前進する。
ケリー米国務長官は発表に先立ち、訪米中のベトナムのファム・ビン・ミン副首相兼外相と会談した。米国務省のサキ報道官は、ケリー長官が防衛協力の条件としてベトナムの人権状況の改善を求めたと説明。両国の防衛面での協力関係は今後も常に見直しの対象になると述べた。
南シナ海で中国との領有権問題を抱えるベトナムは、米国に対し武器禁輸措置の解除を働きかけていた。今年に入り、南シナ海のベトナムが排他的経済水域(EEZ)と主張する海域で中国が石油掘削装置を設置するなど、中国とベトナムの間の緊張は高まっている。
米国はこの問題を巡り中国を非難したが、南シナ海を国益に関わる重要な海域とみる中国は非難を不当として反発していた。