大型台風22号、6日夕にも比中部に上陸か 風雨強まる
(CNN) フィリピンに接近する大型台風「ハグピート」(台風22号)で、同国の気象観測当局は6日、太平洋西部から中部の東サマール州もしくは北サマール州に同日夕か夜に上陸する恐れがあると報告した。
衛星画像によると、台風の目は同国東部沿岸から約250キロ離れた海上に位置する。22号は6日になり超大型規模との測定から外れたが、接近に伴う風雨が6日から強まり始めている。
昨年11月に大型台風が直撃し、甚大な被害が出たレイテ島タクロバン市をかすめる可能性もある。通過が予想される同国中部沿岸部のレガスピ市市長は5日、22号の上陸前に推定7万5000人の住民が退避するとみられると述べた。
今年では最大規模の台風である22号はいったん勢力を落としたが、その後に再び強まり、5日には超大型規模に達していた。風速は台風の目近くで約54メートルを維持し、最大瞬間風速は約64メートルとなっている。
気象観測当局者によると、上陸後は首都マニラの南部を通過して同国北西部を進む見通し。同国を抜けるのは10日と予測している。
突風、洪水や高潮による被害への懸念も強まっている。降雨量は1時間当たり7.5~20ミリと予想され、高潮は最大で5メートルとしている。
タクロバンのロムアルデス市長は6000人以上の犠牲者が出た昨年の台風を教訓に今回の備えは改善していると指摘。住民は暴風雨襲来の警告を深刻に受け止め、大半が既に避難したと述べた。
交通網にも影響が出ており、地域航空のセブ・エアは東部沿岸部の路線で多数の欠航を決めた。
沿岸部からホテルや高台に避難した住民は数百万人規模とされ、食料などの備蓄を急ぐ動きも強まっている。