仏政府、国鉄絡むホロコースト被害者への賠償に調印へ

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パリ(CNN) フランス政府は6日までに、第2次世界大戦中、国鉄SNCFが1942年から44年にかけナチス・ドイツの強制収容所への輸送に関与した問題で、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の生存者に総額6000万米ドル(約72億6000万円)の賠償金を支払う協定書に8日に署名すると発表した。

ワシントンのフランス大使館の報道担当者が述べたもので、米当局との間の協定書になる。米当局はこの賠償金などを見込む基金を既に創設しており、今後も管理に当たる。米国人の被害者だけでなく、この種の協定を締結していない諸国の被害者も賠償金の支給対象にする方針。

同報道担当者は受給者は数千人規模になるとの見通しを示した。仏との賠償金協定の問題では、米国の連邦議会議員らが決着しない限り、SNCFを米市場での入札から閉め出すとの要求などを突き付けていた。

米議員の決議草案によると、SNCFは戦中、ユダヤ人7万5000人以上に加え、数千人規模の各国国民らを仏国内から強制収容所へ輸送することに関与した。これら人々には撃墜された米軍機の操縦士らも含まれる。

SNCF当局者はCNNが求めたコメントに応じていない。ただ、仏大使館の報道担当者は、輸送はナチス・ドイツに加担した当時のビシー政権の指示であり、国鉄に法的責任はないとみなされると指摘した。

仏政府がホロコーストに関する一部責任を担う措置を発表したのは今回が初めてではない。第2次世界大戦の終結後、同国政府は被害者への賠償金支払いに応じる意向を表明しており、米当局との今回の協定書もその一環となっている。

ナチス・ドイツによるホロコーストのユダヤ人犠牲者は600万人とされる。この他、宗教や民族的な少数派、政治的な反対派、同性愛者や身体障害者ら数百万人規模がドイツや東欧に設置された強制収容所で処刑されたといわれる。

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