大型台風22号 フィリピン中部に上陸、豪雨被害など懸念
(CNN) フィリピンの国家災害対策当局などによると、大型の台風「ハグピート」(台風22号)は現地時間の6日午後10時(日本時間同11時)前、同国中部サマール島の東部に上陸した。
豪雨や約57メートルの突風を伴っている。この風速は5段階あるハリケーンの規模で言えば「カテゴリー3」に相当する。人的、物的被害の詳細は伝えられていない。
22号は西北西の方向へ時速約15キロでゆっくりと移動しており、同国を横断する形で7日には中部のマスバテ島に上陸し、9日には海上へ抜けると予想されている。
移動に伴い、最大約4.6メートルにも達する高潮や豪雨の被害が懸念されている。
上陸後、勢力は弱まるとみられているが、海上への移動までは台風としての勢力を保つとみられる。
時速約15キロの移動速度が続いた場合、マニラ首都圏の通過には約3日かかる見通し。この間、過度の大雨が発生し、突発的な洪水や土砂崩れにつながる恐れもある。マニラ首都圏には8日夕にも到達するとみられ、約28メートル以上の風速が予測されている。
降雨や強風による災害発生が7日の時点で最も危ぶまれているのは22号の上陸地点の北方にあるレガスピ市で、2~4メートルの高潮の発生が予想される。同市沿岸部で被害が出る可能性もある。
国家災害対策当局によると、22号の接近に伴い60万人以上の住民が既に避難した。
昨年11月に大型台風が直撃し、犠牲者6000人以上など甚大な被害が出た中部レイテ島のタクロバン市では22号接近に伴い停電が発生。市長によると、窓ガラスが割れたり樹木が倒れる軽微な被害が出ている。22号に備え住民約4万8000人が避難施設に入ったという。