英軍女性兵士、16年までに地上の前線で戦闘任務開始か
(CNN) 英国国防省は19日、女性兵士を2016年までに地上の前線での戦闘任務に初めて従事させる可能性があることを明らかにした。心理的な影響や女性兵士の健康管理などの問題を今後調べ、最終的な是非を決める方針。
同省は、女性兵士を前線での戦闘任務に就かせた場合の部隊運用への影響などに関する報告書を発表。男女混合の前線部隊は部隊の一体感に問題を生じさせるとの従来の見解は踏襲しないとの姿勢を示した。
前線で戦闘能力を減じることなく女性兵士が安全に行動するための訓練の在り方も今後検討する。
英国のファロン国防相は、軍内での役割は性別ではなく能力によって決まると主張。訓練方法などの改善で16年に女性兵士が戦闘任務に従事することを期待すると述べた。
英陸軍内の各種任務のうち、女性に許されているのは全体のうちの7割、海軍は79%、空軍は94%となっている。国防省が今年10月に発表した統計では、英軍の女性兵士は総数の1割に当たる1万5470人だった。
陸軍の女性兵士は過去2年の間漸増し、海空軍では安定した数字が続いている。海軍は今年、女性の潜水艦任務を初めて許可していた。他の艦船勤務は20年以上前に認めていた。空軍でも女性の少将2人が誕生するなど、男女平等の原則が浸透しつつある。
女性兵士による戦闘任務の解禁では、米国防総省が昨年、約20万人を対象に認めていた。フランス、カナダやドイツでも実行されている。