ギリシャ沖アドリア海でフェリー火災、死者
(CNN) ギリシャ沖のアドリア海で現地時間の28日午前、イタリア船籍のフェリー「ノーマン・アトランティック」が火災を起こし、脱出しようとした男性1人が死亡した。乗客らの救出作業は難航し、300人以上が船上に取り残されている。
フェリーは乗客400人以上、乗員56人を乗せて車両222台を積み、ギリシャ北西部のイグメニツァからイタリア中部アンコーナへ向かっていた。乗客は大半がギリシャ人とイタリア人で、トルコ人も含まれている。
火災は車庫部分から広がったとみられる。イタリアの沿岸警備隊によると、死亡したのは炎上する船から海に飛び込んだ乗客。イタリア海軍は、28日夜までに169人が救出され、308人が依然として助けを待っていると発表した。このうち少なくとも3人は煙を吸い込んだり体温が低下したりして、重症に陥っているという。
海軍はギリシャ、アルバニアの協力を得て捜索、救出作業を率いている。冷たい海水と強風のために作業は難航し、ヘリコプターによる救出だけが頼りとなっている。
船上のギリシャ人乗客はイタリア国営テレビ局への電話で、取り残された乗客は上甲板で助けを待っているが、厳しい寒さと立ち込める煙で命の危険にさらされていると訴えた。