ISISの身代金要求を巡る6つの疑問 日本人人質事件
(CNN) イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」は20日、日本人2人の殺害を警告し、72時間以内に身代金2億ドル(約230億円)を支払うよう求めた。ISISが身代金を要求すること自体に驚きはないが、これだけの金額を表立って突きつけてくるのは異例といえる。今回の事態を巡る6つの質問に答えよう。
1.ISISはこれまでも身代金を要求したことがあるのか
答えはイエス。ISISのような武装勢力は要求をめったに公開しないため、すべての事例について金額を特定することは難しい。だがこうした勢力にとって、拉致と身代金要求が常套(じょうとう)手段であることは事実だ。
具体的に確認されたケースとして、2012年11月にシリア北部で拉致された米国人ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリーさんの例がある。フォーリーさんが契約していた米ニュースサイト「グローバルポスト」によると、ISISは1億ユーロ(現在のレートで約131億円)の身代金を要求していた。
グローバルポストもフォーリーさんの家族も、米政府も要求には応じなかった。たとえ身代金を支払ったとしても、ISISが約束通りフォーリーさんを解放していたかどうかは分からない。ISISはフォーリーさんの首をはねて殺害し、その映像を世界に公開した。
今回の例がこれまでと異なるのは、ISISが要求を公開している点と、期限を明示している点だ。日本によるISIS対策への支援を非難している点も合わせて考えると、今回の要求はISISにとって、資金調達というより駆け引きの意味合いが濃いようにも思われる。