残骸の引き揚げ作業を中止 エアアジア機墜落
ジャカルタ(CNN) インドネシア沖のジャワ海で起きたエアアジア機の墜落事故で、インドネシア軍は27日、機体の残骸の引き揚げ作業を中止すると発表した。作業は悪天候や技術的問題に阻まれて難航していた。
関係者によると、墜落現場から犠牲者の遺体を回収する作業は同国の捜索救助庁が継続する。
同機は昨年12月28日、インドネシアからシンガポールに向かう途中で墜落した。搭乗していた乗員乗客162人のうち、これまでに70人の遺体が回収されたが、残る92人は行方不明のままとなっている。
海軍は潜水兵などを動員し、ロープや気球を使って機体の胴体部分の引き揚げを試みたが、ロープが切れるなどして失敗。これより小さい残骸の引き揚げもうまくいかなかった。
このため軍のトップが27日、引き揚げ作業にかかわっていた兵士らに撤収を命じた。海軍の潜水兵81人のうち19人は減圧症にかかり、ジャカルタの病院で手当てを受けている。
潜水作業では、胴体部分の内部に犠牲者の遺体は見つからなかったという。
事故原因を巡っては現在も調査が進められている。インドネシア航空捜査当局は27日、中間報告書を提出したことを明らかにした。内容は非公開。同国運輸相によれば、最終報告書は1年以内に公表される見通し。