エジプトで183人に改めて死刑判決 人権団体が非難
AIによれば、エジプトではこれまでに警官殺害にかかわる計4回の裁判で415人が死刑を言い渡されている。
一方で、11年にデモを弾圧した罪で起訴されたムバラク元大統領には昨年末、事実上の無罪判決が言い渡された。警察署襲撃事件に先立つ13年7~8月、ムルシ前大統領支持派のデモ参加者1000人余りが死亡したとされる強制排除についても、治安部隊員らの刑事責任を問う動きはない。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチもAIと同様の批判を展開し、1000人の死者を出した強制排除は人道犯罪に当たるとの見方を示した。
エジプトでは11年に大規模な反政府デモでムバラク政権が崩壊した後、初の民主的選挙でイスラム組織「ムスリム同胞団」を支持母体とするムルシ前大統領が就任。しかし前大統領は13年夏、軍事クーデターで追放された。ムスリム同胞団は非合法化され、昨年就任したシーシ大統領は前大統領派への締め付けをさらに強めている。