ヨルダン、パイロット解放へ努力継続 ISIS人質事件
(CNN) イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」による日本人人質の殺害に衝撃が広がるなか、ヨルダン政府はISISに拘束された空軍パイロットの解放に向けて努力を続けている。
ISISは先週、後藤健二さんを解放する条件として、ヨルダンで収監中のサジダ・リシャウィ死刑囚の釈放を要求。交換が成立しなければ、ヨルダン政府が解放を求めていた同国軍パイロット、モアズ・カサスベ中尉を殺害すると警告した。
これに対してヨルダン側は、カサスベ中尉の生存確認が前提条件だと主張。ISISは1日、後藤さんを殺害したとする映像を公開したが、その後も中尉の安否には言及していない。
カサスベ中尉は、ISISが「首都」と称するシリア北部ラッカ付近を米軍主導の有志連合が空爆した際、操縦していた戦闘機が墜落し、同機から脱出したところを拘束されたとみられる。
ヨルダン国民の間では有志連合への参加に反対する声とともに、カサスベ中尉の解放を求める圧力が強まっている。
同国政府の報道官は国営ペトラ通信を通し、解放に向けた努力を続けると強調した。
一方、菅義偉官房長官は1日の記者会見で、日本はISISから周辺国などへ逃れている避難民への支援をさらに拡充することにより、「テロに屈しない」姿勢を改めて示していくとの方針を示した。