大統領への告発を裁判所が却下 アルゼンチン
(CNN) アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで1994年に起きた爆破テロ事件をめぐり、イラン当局の関与を同国フェルナンデス大統領らが隠ぺいしたとされる疑惑について、同国の裁判所は26日、告発を却下する決定を下した。
事件を捜査していたアルベルト・ニスマン特別検察官は、フェルナンデス大統領らがアルゼンチン側に有利な通商条件と引き換えにイラン人容疑者を摘発しないことでイラン政府と合意したと主張していた。
ニスマン検察官はこの疑惑を公表した数日後に謎の死を遂げ、国民からは怒りと、大統領らの関与を疑う声が上がっていた。
だが裁判所は「検察官による犯罪の仮説は2つとも最低限の説得力もないことは明らか」とし、犯罪捜査を開始する要件を満たしていないとの判断を下した。
政府は当初から疑惑を否定。ニスマン検事の報告書を調べた一部のジャーナリストからも、検察官の主張には欠陥があるとの見方が出ていた。
その一方で2月初めに捜査を引き継いだ別の検察官は、犯罪捜査を継続するに足る証拠があると述べていた。
ニスマン検察官は1月18日に遺体で発見された。頭部に銃で撃たれたあとがあったが、捜査当局はまだ自殺か他殺かの判断を下していない。