米国人数人を「スパイ容疑」で拘束 ベネズエラ
カラカス(CNN) ベネズエラのマドゥロ大統領は2月28日、複数の米国人をスパイ行為や勧誘活動の疑いで数日前に拘束したと述べた。
拘束者の中には中南米出身の米国人パイロットも含まれているという。大統領によると、パイロットは「さまざまな文書」を所持していたとされ、西部タチラ州で拘束された。身元は公表されていない。
ベネズエラ政府は近年、同様の発表を何度も繰り返しているが、裏付けを示したことはない。
「反帝国主義」を掲げる集会で演説したマドゥロ大統領は同時に、米国からの渡航者全員に今後ビザ取得を義務付けると発表。また、首都カラカスの米大使館の規模を在米ベネズエラ大使館に近い水準まで縮小するよう要請した。
米大使館には現在100人以上の職員がいるとされる。一方で米ワシントンのベネズエラ大使館は外交官17人の体制と、大きな開きがある。
大統領はさらに、米国のブッシュ前大統領、チェイニー前副大統領、テネット元中央情報局(CIA)長官や現役議員数人に対し、「イラク、シリア、ベトナムに対する爆撃」などの「テロ行為」に関与したとして入国禁止を言い渡した。
米国側は先月、人権侵害に関与したとされるベネズエラ当局者のビザを取り消し、米国内の資産を凍結する措置を承認していた。