拉致事件乗り越え大学へ ナイジェリアの少女たち
(CNN) ナイジェリアのイスラム過激派「ボコ・ハラム」による学校襲撃事件で辛くも脱出した少女たちが、ナイジェリア・アメリカン大学(AUN)に通い始めた。つらい記憶を乗り越えて、夢に向かうその姿を取材した。
学内の控え室でおしゃべりに興じる4人の女子学生たち。取材班はその中の1人に見覚えがあった。昨年4月、北東部の村チボクの学校から300人近い女子生徒が連れ去られた事件で、友人たちとともにトラックから飛び降り、幸運にも助かった少女だ。
あの日から学校には怖くて行けなくなった、と少女は振り返る。しかし今、再び教室に戻った彼女は、将来も教師としてここにとどまり、自分が受けているような教育を子どもたちに授けたいと願っている。
AUNではこの少女のほかにも、チボクの事件で助かった学生21人が学んでいる。あの夜、「学校に通っていた」というだけの理由で狙われた少女たちにとって、学び続けることはそのまま自分たちの勇気と決意の表明でもある。教育を受け、社会を変えようとする決意だ。
「人々は私の力を必要としている。私が学校へ行くことが変革につながる」と、1人の学生が語った。事件のこん跡をみじんも感じさせない毅然(きぜん)とした表情で、「外科医になる」と将来を描く。