世界の死刑、「執行」減少も「宣告」は増加 人権団体報告書
(CNN) 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは1日までに、世界各国の死刑制度の実情をまとめた2014年版の報告書を発表した。前年に比べ、処刑された人の数は減少したが、死刑を言い渡された人は増加したことが分かった。
アムネスティ・インターナショナルのサリル・シェティ事務局長は「国家への脅威が現実であるにせよ単なる想像にせよ、政府がそれらに対処するため死刑を利用するという風潮が露呈した1年だった」と指摘。「多くの国が抑止の名の下、テロや内紛を防ぐ手段として人の命をもてあそんでいる」と批判した。
報告書によると、パキスタンでは昨年12月に北西部ペシャワルで起きた学校襲撃事件を受け、死刑凍結が6年ぶりに解除された。中国も新疆ウイグル自治区に対するテロ取り締まりの一環として、死刑を利用しているとされる。
14年に刑を執行された死刑囚は世界で少なくとも607人と、13年の778人から約22%減少した。ただし死刑執行状況を公開しない中国、ベラルーシ、ベトナムなどは、この統計に含まれていない。
アムネスティ・インターナショナルのグローバル問題担当、オードリー・ゴーグラン氏は「長期的な流れが前進しているのは確かだ。死刑廃止へ向かっている国もあり、一部では今年中に実現するかもしれない」と強調する。