外国人襲撃の現場をカメラマンが撮影 南アフリカ
グループがついに去った後、同氏は一緒にいたもう1人のジャーナリストとともに男性を車の後部座席に乗せ、病院へ運んだ。「男性がまっすぐにこちらを見た瞬間を覚えている。ショックを受けてぼうぜんとした表情だった」と、同氏は語る。
同国の日曜紙サンデー・タイムズは一面に「南アの恥」と題し、オートウェー氏の写真を掲載した。ズマ大統領はテレビを通した記者会見で「恐ろしい写真だ」と語った。
警察はこの写真に基づき、犯行グループの4人のうち3人の容疑者と逮捕したと発表した。オートウェー氏は「男たちに激しい怒りを感じる。私たちが最終的に男性の命を救えなかったことも無念だ」と話している。
同国では最近、近隣諸国からの貧しい移民を狙った暴力事件が続発し、これまでに7人の死者が出ている。国連によれば、市民らと外国人労働者との間で3月に起きた労働争議がきっかけとなった。
地元メディアは、南ア最大の部族であるズールー族の王、グッドウィル・ズウェリティニ氏が「外国人は国民の仕事を奪っている。荷物をまとめて出て行くべきだ」と発言したことが、暴力の引き金になったと伝えた。ズウェリティニ氏は20日、「移民との戦いを呼び掛けたつもりはない。私が今求めているのは、わが国に滞在する外国人を全員、出身国にかかわらず保護するための戦いだ」と主張した。