ムバラク元大統領に禁錮3年の判決 刑期満了で釈放へ
カイロ(CNN) エジプトのムバラク元大統領(87)が在任中に公金を横領した罪に問われた裁判で、首都カイロの裁判所は9日、改めて禁錮3年の判決を言い渡した。国営メディアの報道によると、元大統領はすでに3年以上拘束されているため、裁判所は刑期が満了しているとして身柄の釈放を命じた。
元大統領がいつ、どこで釈放されるのかは明らかでない。
同国では2011年の民主化運動「アラブの春」でムバラク元大統領が政権を追われ、12年に初の民主的選挙でムルシ前大統領が就任。元大統領はデモ参加者を殺害した罪や公金横領の罪に問われ、12年に終身刑を言い渡された。
ムルシ氏は元大統領を死刑にするべきだと主張したが、13年の軍事クーデターで同氏自身が失脚した。
元大統領には昨年5月、横領罪で禁錮3年の刑が言い渡された。昨年11月、殺人罪の再審判決では事実上無罪となったが、横領罪については今年1月、裁判所が審理のやり直しを命じていた。
元大統領の息子2人も同様の横領罪で禁錮4年を言い渡されていたが、今回の判決で減刑となり、釈放される見通しとなった。元大統領と息子らには一方で多額の罰金も科せられた。
元大統領の裁判が長引くにつれ、国内での関心は薄れている。判決を受けて大規模な抗議デモが起きる気配はないようだ。ただ裁判のやり直しや新たな罪状などにより、元大統領の法廷での闘いは今後も続く可能性がある。