アサド政権の統治能力に陰り、過激派の浸透懸念 米軍首脳
ワシントン(CNN) 米軍制服組トップのデンプシー統合参謀本部議長は17日までに、シリア内戦の最新情勢に触れ、アサド大統領率いる政権の統治機能が弱体化しつつあるとの見方を示した。
この傾向はここ数週間で顕著になったとし、シリア情勢の混迷は一層深まる可能性があると指摘。アサド氏の権力掌握の衰退はさらなる人道危機につながりかねないとも懸念した。
米情報機関当局者などによると、反政府武装勢力との戦闘でアサド政権軍の劣勢が最近目立っており、反政府派は戦果も上げている。反政府派の実戦経験がより深まり、最新の戦術を駆使する能力を得たことなどが一因としている。
また、政権軍が最近シリア南部で実施した攻勢が成功しなかったことに注意を向け、反政府派の穏健勢力の結束力が一段と高まっているとも述べた。
アサド政権の支配力がそがれた場合、イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」やアルカイダ系の「ヌスラ戦線」がその間隙(かんげき)を縫って首都ダマスカスやその他の政府拠点の制圧を狙うだろうとも分析。