ISIS、世界遺産パルミラ近くの町に侵攻 遺跡破壊の懸念
ユネスコのイリナ・ボコバ事務局長は「戦闘により、中東における最も重要な遺跡の1つが危機にひんしている」と懸念を表明。当事者に対しては戦闘の即時停止を、国際社会には現地住民とパルミラの文化遺産を守るためにあらゆる手を尽くすよう求めた。
ユネスコによれば、古代のパルミラは隊商が立ち寄るオアシス都市だった。1世紀にローマ帝国の一部となってからは、ペルシャやインド、中国につながる交易ルートの中継地として栄えたという。
ISISは預言者ムハンマドがメッカで偶像を破壊したのにならって偶像や異教徒の神々の破壊を行っていると主張。その一方で古美術品を売って多額の儲けも手にしている。
「彼らには古美術品を運ぶネットワークがあり、数千万ドルを稼いできた」と、ロンドン大学経済政治学院(LSE)のファワズ・ゲルゲス教授は言う。