追い込み漁イルカの入手を禁止 日本動物園水族館協会
(CNN) 水族館のイルカの入手方法が倫理規定に触れるとして、世界動物園水族館協会(WAZA)が日本動物園水族館協会(JAZA)の会員資格を停止していた問題で、JAZAは22日までに、追い込み漁で捕獲されたイルカの購入を禁止するとの決定を下した。
5月20日付のWAZA宛ての書簡でJAZAは、JAZAのすべての加盟施設で追い込み漁で捕らえられたイルカの入手や、その「輸出や販売」に関与することを禁じると伝えた。
WAZAは声明を出し、JAZAの対応を「歓迎すべき前進」と評価した。WAZAはこれまで長年にわたり、加盟施設による追い込み漁イルカの購入をやめさせるためJAZAと協力してきたとしている。
和歌山県太地町での追い込み漁は、船を使ってイルカを湾に追い込み、網で捕らえるというもので、多くが食肉用に殺される。日本政府は地元の習慣だとして漁を擁護している。
JAZAに加盟している約150の施設のうち、投票ではうち99施設がWAZA残留を選んだ。JAZAによれば、大規模な水族館であれば購入禁止の影響は数年は出ないだろうが、小規模な施設には「大きな困難」をもたらす可能性があるという。
追い込み漁で捕らえられたイルカがJAZAの会員施設に納入される数は年に20頭ほど。今後はイルカ不足に対処するため、繁殖に力を入れていくという。
米自然保護団体アース・アイランド・インスティテュートの概算によれば、昨年9月から今年3月にかけての漁期に追い込み漁で殺されたイルカの数は751頭。80頭が生け捕りにされ、251頭が放されたという。
生け捕りにされたイルカの最大の市場は日本で、中国や中東、ロシアにも送られているという。