北朝鮮で大うけ、CNNカメラマンによる「フラフープ外交」の顛末記
壇上に上がった私たちに手渡されたのはフラフープだった。フラフープを目にしたのは小学校以来のことだった。
最初はうまくいかなかったが、なんとか観客から声援をもらえるだけのあいだは回せすことができた。この努力のお陰で、本当に頑張ったのだが、2本目のフープを渡された。なんてこった。
1本でも私の心臓は破裂しそうだったのだが、もう後戻りはできない。何とか2本で成功させると、観客からは拍手喝采。そして、3本目のプレゼント。私はコツをつかみつつあり、3本でも回すことができた。観客は大盛り上がりだ。
私は長い間、必死に腰を振った。同時にフープを回していたイルカに競り勝ったらしい。少なくとも、私はそう聞かされた。賞として風船を2つもらい、万雷の拍手を受けた。私はなるべく威厳を保ちながら座席に戻ると、愛するカメラの後ろに隠れた。
ショーはこの後すぐに終了。水族館を後にする私に対し、ガイドは「素晴らしかった。観客は本当に楽しんでいた」と言ってくれた。
出口では館長があいさつに来て、水族館で働かないかと勧められた。冗談半分だったのだろうけど。