インドのダイヤ産業中心地、豪雨禍で死者多数 原石流出も
ニューデリー(CNN) ダイヤモンド産業で有名なインド西部グジャラート州でモンスーンによる大雨で住民や家畜が死亡、民家や宝石用原石などが流失する被害が出ている。
同州当局の公式発表によると、これまでの犠牲者は82人だが、居住が確認されている住民だけを対象にしているため、実際の数字はほぼ倍の水準になるとの指摘もある。
同州のダイヤモンド産業の工場は約1700あり、約1万5000人が働いている。インド北部や東部の貧困地区から出稼ぎに来ている労働者も多い。
ダイヤモンド産業が集中するグジャラート州アムレリ地区の業界団体責任者は、出稼ぎ労働者の死者は州の公式統計に含まれていないと主張。「150人以上が死んだ」と報告した。
豪雨による濁流で路上には動物の死がいが流れ付いており、樹木や家屋も流失している。家屋内にあったダイヤモンドの被害も多いという。職人は自宅で夜通し研磨するためダイヤモンドを工場から持ち帰るのが普通だという。
インド南東部などの州では今年5月から6月初旬にかけ熱波被害が深刻化し、2300人以上が死亡。グジャラート州と国境を接するパキスタンでも最近、同国史上、最悪規模とされる熱波に見舞われ、1000人以上が死んでいる。