ムンバイ連続テロ事件の首謀者の絞首刑執行、延期要請退け
(CNN) インド内務省の報道担当者は30日、同国西部ムンバイで1993年3月12日に起きた連続爆弾テロ事件に関連し、首謀者とされるヤクブ・メモン死刑囚の絞首刑が同日早朝に執行されたと述べた。CNNの取材に明らかにした。
執行場所は西部マハラシュトラ州の刑務所で、同死刑囚は30日に53歳の誕生日を迎えていた。
同事件では、ムンバイ市内の複数のホテル、市場や建物で計12件の爆発が連続発生し、計257人が殺害されていた。インドの検察当局は、事件の背景には狂信的なヒンドゥー教徒によるインド北部にある16世紀創設のモスク(イスラム教礼拝所)破壊があると指摘。モスク破壊に対する地下組織の報復攻撃と見ている。この事件後、宗教抗争が多発し、数百人が死亡していた。
メモン死刑囚には2007年に死刑判決が下されていた。93年の爆弾テロ事件では他の容疑者10人にも死刑が言い渡されたが、控訴して13年に終身刑に減刑されていた。容疑者の総数は123人に達し、このうち100人が爆弾テロ事件に関与したとして有罪判決を受けていた。テロ事件としてはインド史上、最も長期の裁判となっていた。
メモン死刑囚については弁護士グループが執行の数時間前、最高裁判事に執行の2週間延期を求めたが、最高裁は早朝の特別協議で要請を却下した。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのインド支部は犯罪対策に対する決意を象徴的に示そうとする同死刑囚の刑執行を非難。テロ阻止にはつながらない見当違いの措置であると主張した。