バングラデシュでまたイスラム批判のブロガー殺害、今年4人目
(CNN) バングラデシュ当局によると、首都ダッカで7日、イスラム教に批判的な投稿をしていたブロガーの男性が刃物を持った集団に自宅で襲われ、殺害された。同国ではブロガーを標的にする同様の事件が相次いでおり、今年に入り少なくとも4人目の死者となった。
警察などによると、死亡したのは20代後半の男性、ニロイ・チャクラバルティ氏で、「ニロイ・ニール」のペンネームを使っていた。7日午後、自宅アパートに5~6人の男が集団で押し入りニロイ氏を殺害したという。
ニロイ氏は、同国で3人のブロガーが最近、相次いで殺害されたことを批判する文章を掲載したほか、普段から女性やマイノリティーの権利、ヒンドゥー教徒に対する抑圧などについて投稿。2月に殺害された著名ブロガー、アビジット・ロイ氏が設立したブログサイト「自由思想家」にも寄稿していた。
地元警察によると、ニロイ氏は以前、非政府組織(NGO)で勤務。ジャーナリストとしての所属先を把握しておらず、現在調査中だという。
国際テロ組織アルカイダ系の「アンサール・イスラム」が地元メディアにメールで犯行声明を送付。「アラーの許しのもと今日、作戦を実行した。アラーとその使徒の最悪の敵であるこれらの人物に対する戦いを宣言する」と述べた。CNNでは声明の信ぴょう性を確認できていない。
地元警察はアンサール・イスラムについて、同国内で活動実態に乏しく、比較的最近になって名前が知られ始めたと指摘。組織と犯行声明の信ぴょう性に関し捜査を進めている。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、抗議の声の封殺を目的とした殺害は卑劣で許されないとの強いメッセージを送るべきだとして、同国政府の行動を促した。