天津の爆発 死者50人、負傷者700人に 化学物質の危険続く
現場から約2キロの集合住宅に住む教員のバファ・アンダーソンさんは、「衝撃が家の中を突き抜けて窓ガラスや扉が吹き飛び、電気が消えた」と振り返った。最初の爆発で目を覚まして窓から外を見ると2度目の爆発が起き、「巨大なキノコ雲」が立ち上るのを見たと話す。
環境保護団体のグリーンピースは声明を発表し、天津の住民は依然として化学物質の危険にさらされる恐れがあると警告した。現地の環境モニタ局から得た情報として、爆発を起こした会社はシアン化ナトリウム(NaCN)、トルエンジイソシアネート(TDI)、炭化カルシウム(CaC2)などの化学物質を保管していたと指摘。いずれも人体に有害な物質で、特にNaCNは毒性が強く、CaC2とTDIは水などに激しく反応して爆発する危険があるとしている。
こうした化学物質が消火活動の妨げになる恐れもあり、雨が降れば大きな被害を引き起こしかねないとグリーンピースは警告する。
負傷者が運ばれた病院前には、家族などの消息を確認しようと大勢の人が集まっている。重度のやけどを負って車いすで運ばれる男性や、娘を亡くして泣き崩れる父親の姿もあった。