IAEA、イランの軍事施設を初訪問 核協議の合意受け
(CNN) 国際原子力機関(IAEA)は21日、イランの過去の核活動を調べるため、同国のパルチン軍事施設を初めて訪問したと発表した。
天野之弥(ゆきや)事務局長によると、イラン側の技術者がサンプル採取の作業を担当。IAEAのチームがこれに立ち会い、規定の手順に従って本物であることを確認した。サンプルはウィーンへ送り、IAEAの専門家が分析するという。
イランの核開発をめぐっては今年7月、同国と欧米など6カ国との間で疑惑解明に向けた合意が成立。8月には、イランが合意内容をほぼ守っているとする一方、パルチン施設で工事が進んでいる可能性を指摘したIAEAの報告書が、メディアに流れていた。
天野事務局長は21日の会見で、自身と事務局幹部が20日に施設を訪れたことを明らかにし、「これまで衛星画像で調べることしかできなかった建物の中に入った。内部は最近改修された形跡があった。設備はなにも設置されていなかった」と語った。
7月の合意では主に現時点で核活動が疑われる施設の監視が重視され、パルチンの施設は対象に含まれていなかった。ただイランは、欧米諸国が制裁を緩和するための条件として、核開発計画に関するIAEAの懸念に対応するよう求められている。