ローマ法王、カストロ前議長と会談 革命広場で大規模ミサも
ハバナ(CNN) キューバを訪問中のローマ法王フランシスコは20日、フィデル・カストロ前国家評議会議長と私的に会談した。法王はこれに先立ち同日、首都ハバナの革命広場で大規模なミサを主宰した。
ローマ法王庁(バチカン)のロンバルディ報道官によると、カストロ前議長との会談は「友好的で非公式のもの」だった。ハバナの前議長宅で行われた会談は30分に及び、両者は宗教に関する本を交換。自然環境の破壊など、人類が共通に抱える問題について話し合ったという。カストロ家の家族ら約10人が列席した。
これに先立ち、法王は同日、大勢の聴衆を前にミサを主宰。共産党政権のキューバに対し、「思想ではなく人に仕える」よう呼びかけた。
説話の中で法王は、「真の勤めといえる奉仕のあり方が存在する」「だが、私益のための奉仕のような別種の奉仕に惑わされないよう、気を付けなければならない」と説いた上で、「『我が人々』を助けることだけに重きを置いた奉仕のあり方もあるが、これは常に『汝(なんじ)の人々』を除外することにつながり、排除の過程を生み出す」と続けた。キューバ共産党政権を批判したものだと解釈する専門家もいる。
ミサが執り行われたハバナの革命広場には、夜明け前から大勢の人々がつめかけ、法王到着の3時間前には数千人が広場に殺到。法王が近づくと歓声がわいた。