オバマ大統領、ロシア介入による「泥沼化」警告 シリア内戦
ワシントン(CNN) ロシアがシリア内戦への介入を強める中、オバマ米大統領は2日、ホワイトハウスで記者会見を行い、シリアのアサド大統領を退陣させる条件の計画でのみ、プーチン大統領とシリア内戦解決に向けて協力する意向を示した。
オバマ大統領は、アサド大統領退陣が計画に含まれない場合、シリア国内でのロシアの空爆はさらなる流血につながるだけだと警告。ロシアが「泥沼」に陥るとの見通しを示した上で、「軍事作戦はうまくいかない。しばらくシリアにとどまることになるだろう」と述べた。
オバマ大統領はまた、反体制派を訓練し装備を供与する計画について「想定通りに進んでいない」と述べ、自身の戦略の一部が失敗していることを認めた。訓練を受けるなどした兵士は少数にとどまっている。
一方、来年の米大統領選に出馬を表明しているヒラリー・クリントン前国務長官が今週、シリア上空に飛行禁止区域の設置を提案したことに関しては、内戦終結への「簡単で低コストの答え」はないとして警告。大統領の立場になればクリントン氏の見方も少し変わるだろうと述べた。
オバマ大統領は、外交が唯一の解決策であることを強調。アサド大統領を権力の座から追放する仲介案の実現の可能性を示唆した。
ロシアがシリア国内で行っている空爆をめぐっては当初、プーチン大統領が過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」掃討を目指しているとの見方がオバマ大統領の側近の間で浮上。しかし空爆開始後は、ISISではなく、アサド政権と対立する反体制派の支配地域が標的にされているとして、米国などが懸念を強めている。