ISIS、人質3人を遺跡もろとも「爆破」 シリア中部
(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」がシリア中部パルミラで、遺跡の柱に人質3人を縛り付けて爆破したことが27日までに分かった。英国に拠点を置く非政府組織(NGO)「シリア人権監視団」が明らかにした。
同組織はISISによる残虐な「処刑」の例として、シリア軍兵士が戦車でひき殺されたとも報告している。この兵士が「戦車でISIS戦闘員の遺体を踏みつけた」ことに対する報復だと主張しているという。
「死刑」を宣告された人質の一部は、殺害前に自分の手で墓穴を掘ることを強制されるとの情報もある。
ISISは今年5月にパルミラとその周辺を掌握した。遺跡の保護に携わっていた専門家を殺害し、8月には文化遺産として非常に大きな価値を持つバール・シャミン、ベル両神殿を相次いで破壊。さらに今月初め、遺跡への入り口に立っていた凱旋門(がいせんもん)を爆破した。
こうした破壊行為の写真を堂々と公開するISISの姿勢からは、世界有数の貴重な文化遺産を毀損(きそん)することへの罪の意識といったものがみじんも感じられない。