戦闘機撃墜は「石油密輸のため」とロシア トルコが反論
(CNN) ロシア機がトルコによって撃墜された問題で、トルコとロシアとの間で批判の応酬が続いている。ロシアのプーチン大統領は、戦闘機の撃墜はトルコが石油の密輸網を確保するためとの見方を披露。一方、トルコのエルドアン大統領は、そうした見方を否定し、「もし、それが事実だと証明されれば辞任する」と語った。
エルドアン大統領は30日、訪問先のパリで記者団に対し、プーチン氏の主張が事実だと証明されればすぐに辞任すると述べた。その上で、もし主張が事実でなければ、逆にプーチン大統領が辞任すべきだと付け加えた。
トルコはトルコ領空でロシア機を撃墜したとしている。一方、ロシアは過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に対する空爆を行っていたとしている。
ロシアのタス通信によれば、プーチン大統領は、「我々は最近、ISISの支配地域からの石油がトルコ領内へ工業規模で搬送されていることを確認する報告を受け取った」と指摘。ロシア機撃墜はそうした石油の密輸ルートを確保する意図があったのではないかとの見方を示した。
トルコのアナドル通信によれば、エルドアン大統領は、トルコが石油や天然ガスを購入しているのは合法な場所であり、テロ組織とそのような取引はしないと反論している。
この論争について、米国はトルコ寄りの立場を示している。米国務省の広報担当によれば、これまで入手した情報は戦闘機がトルコ領空にいたことを示唆しているという。