北朝鮮が米国人大学生を拘束、「敵対的行為」で
(CNN) 北朝鮮に観光目的で入国したとされる米バージニア大の学生が、政府に「敵対的な行為」を働いたとして拘束されていたことが23日までに分かった。
今回の旅行を企画した中国企業「ヤング・パイオニア・ツアーズ」によれば、オットー・フレデリック・ワームビアさんは今月2日、首都・平壌で拘束された。同社のウェブサイトは、「母親が行かないでほしいと思う場所に格安旅行を提供する」としている。
同社によれば、家族にはすでに事情を伝えており、米国務省や北朝鮮外務省のほか、北朝鮮国内にいる米国人の窓口となっているスウェーデン大使館と協力して対応しているという。
北朝鮮国営メディアはワームビアさんについて、同国に対して敵対行為を働いた罪に問われていると報道。「米国政府の黙認の下、北朝鮮の一致団結の基礎を崩す目的で入国した」としている。
バージニア大学の学生新聞によれば、ワームビアさんは同大の3年生で、商学を専攻。優等生名簿に名を連ねているほか、投資業務など金融業界を目指す若者のためのキャリア訓練を行う学生団体にも参加しているという。大学の広報担当者は家族と連絡を取っていると述べるにとどめた。
ワームビアさんの出身地であるオハイオ州のジョン・ケーシック知事は22日、短文投稿サイトのツイッターで、「北朝鮮によるオハイオ州の大学生の拘束は許しがたい」として即時解放を求めた。
韓国の首都ソウルにある米国大使館は、ワームビアさんが拘束されたとする報道を把握していると述べた。
北朝鮮政府は過去にも、複数の米国人を同様の罪で逮捕・訴追している。