増え続ける難民、門戸閉ざす欧州 国連が一層の混乱に警鐘
オーストリアは1週間前、1日当たりの入国者受け入れの上限を3200人、難民認定申請の受け付けの上限を80件とすると発表し、スロベニアも同様の制限を発表した。
翌日にはバルカンルート上に位置する国の警察が、マケドニアとギリシャの国境で難民の審査を開始することで合意したと発表。グランディ氏はこの措置について「さらなる混乱と無秩序を招き、ただでさえ難民の扱いで重い負担を負っているギリシャの負担がさらに重くなる」と危機感を示す。
ギリシャ政府の報道官も、「一部の加盟国が合意に反して自分たちのやりたいようにやっている事態は容認できない」と不快感を示した。
欧州への道が閉ざされれば、増え続ける難民は足止めされたまま冬の寒さに凍え、密航業者に一層付け込まれる事態になりかねない。
ギリシャの対岸のイタリアでも今年に入って7500人以上が漂着している。23日にはイタリア海軍が難民船から1431人を救出し、8人の遺体を回収した。
欧州を目指す航海の途中に死亡した人は、今年だけで400人を超えている。