英ウィリアム王子に批判、条件付きで娯楽目的の狩猟認める
(CNN) 英国のウィリアム王子が、繁殖期を過ぎた場合に限って大型獣の狩猟許可証を有料で発行することを認める発言をし、自然保護団体から批判を浴びている。
王子はCNNの系列局ITVニュースに対し「誰もが同じ意見」ではないと前置きした上で、対象が「年老いて弱った動物」であれば大型獣の娯楽目的の狩猟を一定の規制の下で認めてもいいとの考えを示した。ただし狩猟許可証は有料とし、得られた収入を絶滅危惧種の保護に使うことが条件だ。
王子はインタビューの中で「(動物の)繁殖力がなくなり、寿命が近くて、誰かが(狩猟許可証に)金を払う気があるならば、そして種の保全にその金が回るのであれば、深刻な危機に瀕している種の保全手段として正当化できる」と述べた。
ウィリアム王子は野生生物の保護に関心が高いことで知られる。だが、今回の発言には英自然保護団体「ライオン・エイド」が厳しい批判を浴びせた。
ライオン・エイドのピーター・カット会長は声明で「アフリカには野生のライオンが1万5000頭(以下)しか残されていないとみられ、娯楽目的の狩猟を行う余地はない。野生のオスライオンの推定生息数1500頭に対し、娯楽目的の狩猟の割当数量は年300頭となっているが、こうした狩猟も持続可能ではないと考えられている」と指摘。
また「ライオンの6歳は『繁殖期を過ぎた』年代ではない。実際には成熟期に入ったばかりだ。なのにアフリカ諸国の多くは、こうした元気なオスたちを娯楽目的の狩猟に差し出している」と述べた。
2014年には、ウィリアム王子はスペインでシカやイノシシの狩りに参加した直後に違法狩猟をやめるよう呼びかけを行って批判にさらされた。