インドネシア、中国に抗議 南シナ海の漁船摘発で妨害行為
香港(CNN) インドネシア政府は、南シナ海で違法に操業していた中国漁船の摘発を中国海警局の船に妨害されたとして、同国に正式に抗議したことを明らかにした。ルトノ外相が21日の記者会見で語った。
ルトノ外相は、海警局の船がインドネシアの主権を侵害したと主張。すでに中国大使館の代表者と話をしたと述べたうえで、「中国に強く抗議したい」と語った。
インドネシアの英字紙ジャカルタ・ポストによると、同国が南シナ海で20日、違法操業していたとみられる中国のトロール船を捕らえて曳航(えいこう)した際、中国海警船がトロール船に体当たりして妨害したという。
これに対して中国外務省の報道官は、海警局の船は「中国の伝統的漁場で攻撃を受けた漁船」の援護に向かったが、インドネシア領海には入っていないと反論した。
中国はインドネシアが拘束した漁民らの釈放を求めている。同報道官はインドネシア側に対し、「両国関係の全体像に留意した正しい対応」を呼び掛けた。
南シナ海では中国や東南アジア諸国が複雑な領有権争いを展開している。現場のインドネシア領ナトゥナ諸島周辺では最近、同国が警備を強化していた。
ナトゥナ諸島周辺にインドネシアが設けている排他的経済水域(EEZ)は中国が領有権を主張する「九段線」の範囲と重複するが、中国は同諸島についてインドネシアの領有権を認めると明言している。