中国全土でスト激増、体制脅かす事態に政府が懸念
1月には北西部の寧夏回族自治区で、建設会社との金銭トラブルが発端となって出稼ぎ労働者がバスに放火し、17人が死亡した。
中国の労働運動は、南部の南海にあるホンダの自動車部品工場で2010年に実施されたストが転機だった。製造ラインにいた23歳の出稼ぎ労働者の男性が「こんな低賃金で働いてはいけない」と叫んで非常停止ボタンを押した。
工場の庭に集まった若い労働者は数十人から数百人に膨れ上がり、ほぼ全従業員が参加して19日間のストを展開。製造の中断を余儀なくされて、経営陣と中国政府はやむなく要求に応じた。労働者側が全面的に勝利した極めてまれなケースだった。
ホンダは和解内容や労働者との交渉内容について公にはコメントしていない。
同年夏には多数のストが実施され、労働者側が大幅な昇給などを勝ち取ったという。
中国の労働運動はすべて、中国共産党が1925年に設置した労働組合「中華全国総工会(ACFTU)」の統制下で行われ、この枠外で労働運動を組織しようとしたり交渉しようとしたりすれば、国家権力に対する攻撃とみなされる。